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中頓別貝の化石

貝化石とは?

貝化石とは、数億年から数千万年前の海中に生息していた貝類を中心とした魚類・珊瑚・甲殻類・ケイ藻・海藻などが厚い層となって堆積し、その後地殻変動で隆起し腐植・化石化して岩石になった極めて特殊な堆積岩です。
その構成要素は、貝殻を主体としてはいるが、有孔虫、硅質海綿骨針、珪藻類、ゴカイ類の棲管や石灰藻など多岐にわたり、海のミネラル分をそのまま残したような地層から産出されます。

成分としては、カルシウム(石灰)が主で、リン酸やマグネシウムといったミネラルがバランス良く含まれています。
中頓別町で採れる貝化石は、およそ1000年前、この地域が海だった時に生息していたホタテ貝やフジツボなどが堆積した地層から採掘されています。

中頓別貝化石の特徴

「他に類を見ない豊富なミネラルを含有」

ミネラルが多い理由

長年に渡り全国各地の貝化石を研究している中野益男氏(帯広畜産大学名誉教授)によると、「中頓別町の貝化石は他に類を見ない優れた特質がある」と指摘します。
その理由は「他地域の貝化石に比べ圧倒的にミネラルの含有率が高く、理想的な家畜肥料になる」と話します。
一般的な貝化石はカルシウム含有率が高く、ほかの成分が低いため貝化石そのものの栄養価が少なく、中頓別町の貝化石は60種類を超えるミネラルが含まれており、栄養価が高い貝化石となっています。

中頓別周辺の地層

中頓別町の地質を年代別に区分けすると、周辺の地域に比べて様々な年代の地層が分布しています。
大きく、6つの地層に分類されますが、全ての層で化石が採取できるというわけではありませんが、年代が多ければそれだけ多くの時代の化石を採取できる可能性があるということになります。

◆中頓別層(170万年~1000万年前)

ホタテ貝やフジツボが堆積してできた石灰岩層で、中頓別鍾乳洞と同じ年代の地層です。
中頓別の地層の中では一番新しい年代です。

◆モペーチャン層(700万年~2000万年前)

「中頓別層」よりも少し古い年代の地層。
貝等の堆積物の化石や、カバのような見た目をした水生生物「デスモスチルス」「パレオパラドキシア」の化石がこの地層で発見されています。

◆蝦夷層群(5200万年~8600万年前)

北海道中軸部(南は浦河町周辺から北は稚内市宗谷岬まで)に分布する約1億2000万~6800万年前の白亜紀の地層。
北海道産のアンモナイトの多くは、この地層から産出したもので、中頓別町でも多くのアンモナイトが発見されています。

中頓別の地質